なぜダブルベッドの掛け布団は隙間ができやすいのか
18年間のベッド販売員生活の中で、「ダブルベッドで寝ていると肩口や背中がスースーして寒い」というお悩みを頻繁に伺います。ダブルベッドは幅が約140cmあり、大人2人が並んで眠るのに適したサイズですが、実は掛け布団と身体の間に隙間ができやすい構造上の理由があります。
人間は一人ひとり体型が異なり、中央に2人が並ぶと、どうしても二人の間に「谷間」のような空間が生まれます。平らな掛け布団を上から被せただけでは、その谷間や外側の肩付近に持ち上がりが発生し、そこから冷気が侵入してしまうのです。特に冬場はこの隙間風が原因で睡眠の質が大きく低下してしまいます。
これを防ぐためには、単に温かい素材の布団を選ぶだけでなく、ダブルベッドというサイズ特性に合った掛け布団のサイズ選定と、ドレープ性(身体へのフィット感)に優れた寝具選びが不可欠となります。
フィット感を高める掛け布団の素材とサイズ選び
隙間風を防ぐ第一歩は、掛け布団自体の「しなやかさ」に注目することです。どれだけ大きなサイズの布団を選んでも、生地や詰物(中綿)が硬いと、体に沿わずにパカパカと浮いてしまいます。ダブルベッドにおすすめなのは、羽毛布団や高機能な超極細繊維(マイクロファイバーなど)を使用した、体に吸い付くようなドレープ性を持つ掛け布団です。
そしてサイズの観点からは、やはり標準である「ダブルサイズ(190×210cm)」以上をしっかりと確保することが重要です。もしシングルサイズの布団を2枚並べてダブルベッドの上で使うというスタイルを取らない限り、一枚の掛け布団で二人を覆う場合はダブルサイズ未満の布団(セミダブルなど)を使うと隙間風のリスクが跳ね上がります。
また、羽毛布団を選ぶ場合はキルト(縫い分け)のマス目数にも注目してください。マス目が細かいキルト構造の布団は、身体のラインに柔軟に沿ってくれるため、ダブルベッド特有の二人間の隙間を綺麗に埋めてくれます。
シングル2枚使いというプロならではの提案
ダブルベッドで寝るからといって、必ずしも掛け布団を「大きな1枚」にする必要はありません。店舗でどうしても隙間風や寝返りによる布団の引っ張り合いが解決しないお客様には、あえて「シングルサイズの掛け布団を2枚使う」という方法を強く提案しています。
ダブルベッドの幅は約140cmですが、シングル掛け布団(幅150cm)を2枚重ねるようにセットすると、一見ごちゃつくように思えますが、実は非常に理にかなっています。各自が自分専用の布団に包まれるため、相手の寝返りによって布団がめくれることが一切なくなりますし、お互いの体温に合わせて掛け布団の厚みを個別に調整することも可能です。
見た目をすっきりさせたい場合は、日中は2枚のシングル布団の上にベッドスプレッド(大判のカバー)をサッと掛けておけば、ホテルのような美しい寝室に早変わりします。「大きなダブル掛け布団1枚で寒さを我慢する」以外の選択肢も頭に入れて、最適な睡眠環境を作りましょう。
